コインパーキングの放置車両を一時移動したい方へ
コインパーキングの閉鎖日、機器撤去、舗装工事、土地の明け渡しなどが決まっているにもかかわらず、駐車場内に1台だけ車両が残ってしまうことがあります。
このような場合、車両をその場に置いたままでは、精算機・ロック板・看板などの撤去作業や、次の工事・引き渡しに支障が出ることがあります。
ただし、長期間出庫されていない車両であっても、車両は所有者の財産です。運営会社様や管理会社様の判断だけで、いきなり廃車処分・解体処分をすることはできません。
閉鎖・工事前に残った車両を一時移動する対応
そこで検討されるのが、廃車処分ではなく、現在のコインパーキングから別の保管場所へ車両を移す「一時移動」です。
一時移動を行う場合には、警告書の貼付状況、所有者・使用者への連絡状況、警察への相談、移動先の確保、移動前後の写真記録などを確認し、後から「なぜ移動が必要だったのか」「どこへ移動したのか」を説明できる形で進めることが重要です。
一時移動で注意すべきトラブル
コインパーキング内の車両を一時移動する場合、問題になりやすいのは「移動したこと」そのものよりも、移動後に所有者・使用者から次のような主張を受けるケースです。
- 移動の際に車へ傷が付いた
- 車内の荷物がなくなった
- 車の所在が分からず困った
- 仕事や生活に支障が出た
- ローン会社・所有者・使用者などから後日問い合わせが入った
そのため、一時移動を行う場合には、単にレッカー車を手配するだけでは不十分です。
移動前の車両状態、駐車位置、周辺状況、警告書の貼付状況、警察への相談状況、移動先などを記録し、所有者や関係者から問い合わせがあった場合に、「いつ、どこへ、なぜ移動したのか」を説明できる状態にしておく必要があります。
また、所有者が元の駐車場に戻ってきた場合に備えて、現地に案内文を掲示する、コールセンターで情報共有をしておくなど、問い合わせ先を案内できる状態にしておくことも重要です。
一時移動の前にご依頼者様側で確認いただくこと
コインパーキング内の車両を一時移動する場合、当社がレッカー移動を行う前に、ご依頼者様側で次の点をご確認ください。
- 駐車場の閉鎖・工事・明け渡しなどにより、本当に一時移動が必要な状況であるか
- 警告書の貼付、管理看板、場内掲示などにより、所有者・使用者に告知しているか
- 警察へ相談し、盗難車・事件関係車両の可能性について確認・相談しているか
- 移動前の車両状態、駐車位置、周辺状況を写真で記録しているか
- 移動先の駐車場・保管場所が明確に決まっているか
- 所有者・使用者が現れた場合に、車両の移動先を案内できる体制があるか
- 移動後も、問い合わせ先・保管状況・返還方法について説明できる状態になっているか
重要なのは、駐車場の閉鎖・工事・明け渡しに必要な範囲で、一時的に車両を移動するという考え方です。
そのため、ご依頼者様側でも、警告書・写真・警察相談・移動先・問い合わせ対応の記録を残し、後日、所有者・使用者・関係者から連絡があった場合に説明できる形で進める必要があります。
実際には、移動前に所有者が出庫するケースもあります
レッカー移動を行う前に、所有者や使用者が車を出庫するケースも少なくありません。
駐車場閉鎖の告知をする、警告書を貼付して一時移動の予告をする、所有者へ通知書を発送するなどで、所有者が状況を把握し、作業前に車両を出庫する場合があります。
そのため、一時移動の相談をしたからといって、必ずレッカー作業まで進むとは限りません。
当社では、現場状況を確認したうえで、まずは移動が必要かどうかを判断します。所有者が出庫した場合には、作業前のキャンセルについてもご相談いただけます。
一時移動の流れ
現場状況の確認
まず、駐車場の閉鎖期限、工事開始日、車両の駐車期間、警告書の有無、所有者への連絡状況などを確認します。
コインパーキングの場合、次のような情報が重要です。
- 駐車場名
- 駐車場住所
- 車室番号
- 車両のメーカー・車名
- ナンバープレートの番号・写真
- 駐車開始時期
- 一時移動希望日
- 工事開始日・閉鎖予定日
- ロック板の有無
- 車両周辺のスペース
- 搬入先の有無
鍵のない車をレッカー車で移動するため、前後左右のスペースやロック板の状況によっては、作業が難しい場合があります。
車両・駐車場の写真確認
一時移動では、移動前の状態を写真で残すことが非常に重要です。
特に、次の写真があると状況確認がしやすくなります。
- 車の前方写真
- 車の後方写真
- ナンバープレートの写真
- フロントガラスの車検ステッカー周辺
- 車両の前後左右の状況
- 駐車場全体の写真
- 駐車場名や住所が分かる看板
- ロック板の有無が分かる写真
- 搬入先の車室や周辺状況
車両に傷やへこみがある場合には、移動前から存在していたことが分かるように、できるだけ多方向から記録します。
警告書・所有者対応の確認
すでに警告書を貼っている場合には、貼付日や文面、写真記録を確認します。
まだ警告書を貼っていない場合には、可能な範囲で事前告知を行うことが望ましいです。
また、車両情報をもとに所有者確認や通知書発送が可能な場合には、状況に応じて、所有者・使用者・関係者への通知も検討します。
ただし、閉鎖期限や工事開始日が迫っている場合には、通知書の返答を待つ時間が取れないこともあります。
そのような場合でも、少なくとも「なぜ移動が必要だったのか」「いつ、どこへ移動したのか」「所有者が現れた場合にどう案内するのか」を説明できる状態にしておくことが重要です。
警察への相談・事件性確認
長期間放置されている車両については、盗難車、事件関係車両、所有者不明車両などの可能性も完全には否定できません。
そのため、移動前に警察へ相談し、事件性の有無について確認しておくことをおすすめします。
警察が車両を引き揚げるケースばかりではありませんが、事前に相談した記録があることで、後日説明しやすくなります。
搬入先の確認
一時移動では、移動先を事前に決めておく必要があります。
移動先としては、依頼者様が管理する別の駐車場、保管場所、関係先敷地などが考えられます。
搬入先についても、次の情報が必要です。
- 搬入先住所
- 駐車場名・施設名
- 車室番号
- ロック板の有無
- 搬入車室の前後左右の状況
- 駐車場全体の写真
- レッカー車が進入・作業できるスペース
搬出場所だけでなく、搬入場所にも十分な作業スペースが必要です。
左右に別の車が停まっている、通路が狭い、ロック板が上がったままになっている、段差が大きいなどの場合には、移動できないことがあります。
レッカー移動
現場状況と搬入先の確認ができたら、レッカー車等で車両を移動します。
鍵がない車両の場合、通常の運転による移動はできません。そのため、車両の状態や駐車位置に応じて、専用機材を使って移動します。
作業前・作業中・作業後の写真を残し、移動によるトラブルを防ぐための記録を行います。
移動後の案内・所有者対応
車両を一時移動した後は、所有者や使用者が現れた場合に、車両の所在を説明できる状態にしておく必要があります。
たとえば、元の駐車場に案内文を掲示する、管理会社の連絡先を明記する、移動先を社内で共有するなどの対応が考えられます。
一時移動後も、車両を勝手に処分することはできません。所有者・使用者・ローン会社などから連絡があった場合に備えて、写真、警告書、相談記録、移動日時、移動先などを保管しておくことが重要です。
ご相談時に確認したい情報
コインパーキングの放置車両を一時移動したい場合には、以下の情報をご用意いただくとスムーズです。
ご依頼者様の情報
- 会社名
- ご担当者名
- 電話番号
- メールアドレス
車両情報
- メーカー名
- 車名
- 前後のナンバープレートが分かる写真
- 車の前方写真
- 車の後方写真
- 車検ステッカー周辺の写真(フロントガラス上部)
- 車両の傷やへこみが分かる写真
搬出元の駐車場情報
- 駐車場名
- 駐車場住所
- 車室番号
- ロック板の有無
- ロック板の解除方法
- 車両の前後左右の状況が分かる写真
- 駐車場全体の写真
搬入先の情報
- 駐車場名
- 搬入先住所
- 車室番号
- 搬入車室の前後左右の状況が分かる写真
- 駐車場全体の写真
一時移動に関する情報
- 駐車開始時期
- 一時移動希望日
- 工事開始日
- 駐車場閉鎖予定日
- 所有者への対応状況
- 警告書貼付の有無
- 通知書発送の有無
- 警察相談の有無
- 電話連絡や訪問記録の有無
一時移動が難しい場合
次のような場合には、すぐに一時移動できないことがあります。
- 車両の左右に別の車があり、作業スペースがない
- ロック板が解除できない
- 搬入先が決まっていない
- 搬入先にレッカー車が入れない
- 車両の状態が悪く、通常の方法で移動できない
- 所有者や使用者が、車両の撤去・一時移動・保管場所の変更に明確に反対している
- 警察確認が必要な状況で、まだ相談していない
- 車内に明らかな貴重品や特殊な荷物が見える
- 事故車・故障車などで積込方法の確認が必要
このような場合でも、現場写真をもとに、対応可能かどうかを確認します。
料金・キャンセルについて
料金について
一時移動の費用は、車両の状態、駐車位置、搬出元から搬入先までの距離、作業環境、使用するレッカー車の種類などによって変わります。
ただし、実際には、警告書の貼付や移動予告によって、所有者・使用者が作業前日までに出庫するケースが多くあります。
キャンセルについて
事前告知を行った案件のほとんどは、実際にレッカー移動を行う前に、所有者・使用者などによって車両が移動されます。
一時移動の手配を進めた場合でも、所有者・使用者などが作業前に出庫した場合には、作業をキャンセルできます。
ただし、レッカー車の手配や作業員の予定確保が必要となるため、一時移動予定日の前日17時までにキャンセルのご連絡をいただけない場合、10,000円のキャンセル料が発生します。
また、一時移動当日現地に到着した時点で車両がなかった場合には、実際に一時移動した場合と同額の費用が発生します。
具体的な料金、キャンセル条件、当日不在時の費用については、車両の状態・作業場所・移動距離などを確認したうえで、個別にご案内します。
コインパーキングの放置車両一時移動に関するよくある質問
Q. コインパーキングに長期間停まっている車を、すぐに一時移動できますか?
状況によります。閉鎖期限や工事開始日が迫っている場合でも、車両の状態、駐車期間、警告書の有無、警察相談の有無、搬入先の有無、作業スペースなどを確認したうえで一時移動として対応できるかを検討します。
Q. 車を一時移動して、器物損壊などの問題になりませんか?
車両を移動する際に傷を付けたり、部品を破損させたりすれば、後日トラブルになる可能性があります。
そのため、一時移動を行う場合には、移動前の車両状態を写真で記録しておくことが重要です。車両の前後左右、傷やへこみ、タイヤ周辺、駐車位置、周辺車両との距離などを確認し、移動前から存在していた傷なのか、移動時に発生した傷なのかを説明できる状態にしておく必要があります。
当社では、鍵のない車両を移動する場合でも、現場状況を確認したうえで、可能な限り車両を傷つけない方法で作業を行います。
Q. 所有者から「車を盗まれた」と言われることはありませんか?
一時移動では、車両を処分したり、隠したりするのではなく、閉鎖・工事・明け渡しに必要な範囲で、別の保管場所へ移動します。
そのため、移動先を明確にしておくことが重要です。所有者や使用者が元の駐車場に戻ってきた場合に備えて、管理会社・コインパーキング運営会社・コールセンター等で、車両の所在や問い合わせ先を案内できる状態にしておく必要があります。
「車両をどこへ移動したのか分からない」という状態にしてしまうと、所有者側から強い不信感を持たれたり、警察への相談・通報につながる可能性があります。
Q. 所有者から損害賠償を請求されることはありますか?
可能性としてはあります。たとえば、車両に傷が付いた、車内の荷物がなくなった、車を使えず不便が生じた、などと主張されることがあります。
ただし、所有者から損害賠償を請求された場合でも、主張された損害をすべて当然に負担しなければならないわけではありません。一般的には、実際にどのような損害が発生したのか、その損害と一時移動との間に関係があるのか、通常予想できる範囲の損害なのか、といった点が問題になります。
たとえば、「車を移動されたために重要な商談に行けず、大きな損失が出た」「車が移動されていたことに驚いて体調を崩した」などと主張されたとしても、その損害が一時移動によって通常発生するものなのか、管理者側が事前に予想できた事情なのかは、別途検討されることになります。
そのため、過度に恐れる必要はありませんが、何も準備せずに移動してよいという意味ではありません。一時移動が必要だった理由、移動前の車両状態、警告書の貼付状況、警察への相談状況、移動先、所有者への案内方法などを記録し、後から説明できる状態にしておくことが大切です。
Q. 警察に相談しても「民事不介入」と言われました。それでも移動できますか?
原則として、警察は事件性が認められない車両について、引き揚げを行いません。しかし、「警察が引き揚げをしないから、管理者側で一時移動を検討できない」というわけではありません。
警察への相談記録、警告書の貼付、写真記録、移動先の確保、移動後の掲示・問い合わせ対応の記録などを残し、後から説明できる形で進めることが重要です。
Q. 一時移動した後、そのまま廃車処分できますか?
一時移動と廃車処分は別の問題です。
一時移動は、現在の駐車場から別の保管場所へ車両を移す対応です。所有者の同意や必要な確認がないまま、勝手に廃車・解体することはできません。
廃車処分を検討する場合には、所有者確認、使用者への通知、ローン会社の有無、相続関係などを別途確認する必要があります。
Q. 駐車場の閉鎖日まで数日しかありません。相談できますか?
ご相談ください。
ただし、対応できるかどうかは、車両の状態、作業スペース、搬入先、警告書や警察相談の状況、当社およびレッカー業者の手配状況によって異なります。
閉鎖期限や工事開始日が迫っている場合には、できるだけ早めに現場写真と状況をお送りください。
その1台で、駐車場の閉鎖・工事を止めないために
コインパーキングに残った1台の車両が原因で、駐車場の閉鎖、土地の明け渡し、工事開始、機器撤去が止まってしまうことがあります。
しかし、焦って車両を処分したり、記録を残さずに移動したりすると、後から所有者・使用者・関係者とのトラブルになる可能性があります。
トラブルとなるリスクをできるだけ抑えるために、現場状況を確認し、必要な記録を残し、所有者が現れた場合にも説明できる形で一時移動を進めることが大切です。
コインパーキングの閉鎖期限や工事開始日が迫っている場合は、まずは現在の状況をお知らせください。車両の状態、駐車場の写真、搬入先の有無を確認したうえで、対応可能かどうかをご案内します。