放置自動車を撤去する前に、車検証情報を確認すべき理由
放置自動車の撤去をご相談いただく際、まだ車検証情報を確認されていないケースがあります。
「車検証情報を調べられることを知らなかった」
「駐車場の契約者が、そのまま車の所有者だと思っていた」
「古い車なので、価値がなく処分しても問題ないと思っていた」
「長期間放置されているので、管理者側で処分してよいと思っていた」
「警告書を貼っても反応がないので、撤去してよいと思っていた」
しかし、放置自動車は、駐車場や敷地内に長期間置かれていても、誰かの財産である可能性があります。
特に月極駐車場や集合住宅の駐車場では、駐車場の契約者と、車検証上の所有者・使用者が同じとは限りません。
契約者と連絡が取れない、長期間放置されている、車が古く動かないといった事情があっても、それだけで直ちに撤去・処分してよいとは限りません。まずは車検証情報を確認し、所有者・使用者・ローン会社・相続人などの関係者を把握することが重要です。
車検証情報を確認しないまま撤去・処分を進めると、後日、所有者・使用者・相続人・ローン会社などから、「勝手に撤去された」「処分に同意していない」などと指摘され、トラブルに発展する可能性があります。
当社では、放置自動車の撤去について、単に「車をどかす作業」とは考えていません。
撤去前に車検証情報を確認し、所有者・使用者・関係者・車両価値などを把握したうえで、撤去・保管・処分に進んだ理由や正当性を、依頼者様があとから説明できる形で進めることを重視しています。
よくある誤解:駐車場契約者が車の所有者とは限りません
月極駐車場や集合住宅の駐車場では、駐車場契約者と車両の所有者が同じだと思われていることがあります。
しかし、実際には次のようなケースがあります。
- 駐車場契約者と車検証上の所有者が違う
- 契約者は使用者で、所有者はローン会社・信販会社になっている
- 契約者が家族名義の車を停めていた
- 契約者が知人や第三者の車を停めていた
- 契約者が退去・死亡しており、相続関係が絡んでいる
- 車両だけが残り、契約関係と所有関係が一致しない
このような場合、駐車場契約者に連絡が取れないからといって、すぐに車両を撤去・処分してよいとは限りません。
放置車両の対応では、まず「誰が契約者か」だけでなく、車検証上の所有者・使用者が誰かを確認することが重要です。
車検証情報の確認は、依頼者を守るための手順です
放置自動車の撤去では、車検証情報を確認することで、次のような点を把握できる場合があります。
- 車検証上の所有者は誰か
- 使用者は誰か
- 所有者と使用者が同じか
- ローン会社や信販会社の所有権留保があるか
- 所有者が亡くなっていないか
- 相続人や関係者への確認が必要な案件ではないか
- 盗難車・事件性・差押えなどの問題がないか
- 車両の年式・型式・グレードなどからおおよその市場価値を把握できるか
車検証情報の確認は、単なる事務手続きではありません。依頼者様が後日トラブルに巻き込まれないようにするための、重要な確認作業です。
これらを確認せずに撤去だけを進めてしまうと、車両そのものの価値が低い場合でも、後から「勝手に処分された」「事前に連絡を受けていない」「所有者として同意していない」などと主張されることがあります。
車検証情報を確認したことで、撤去せずに解決することもあります
車検証情報を確認したことで、撤去や処分をする前に解決の糸口が見つかることがあります。
所有者・使用者に通知した結果、任意で移動されたケース
車検証情報をもとに所有者や使用者へ通知したところ、相手方から連絡が入り、本人が車を移動したり、車両の処分に応じてくれたりするケースがあります。
この場合、無理に撤去・処分を進める必要がなくなります。依頼者様にとっても、撤去費用や後日のトラブルリスクを抑えることができます。
「放置されているから撤去する」だけでなく、まず相手方に通知し、任意解決の可能性を確認することが重要です。
所有者が亡くなっており、相続関係の確認が必要だったケース
車検証上の所有者がすでに亡くなっている場合、車両が相続財産に関係することがあります。
このような場合、相続人や関係者への確認を行わずに撤去・処分を進めると、後日、相続人から問い合わせや苦情が入る可能性があります。
車検証情報を確認することで、相続関係が絡む案件であることを事前に把握し、撤去・保管・処分の方針を慎重に決めることができます。
ローン会社・信販会社が所有者になっていたケース
車検証上の所有者が、ローン会社や信販会社になっている場合があります。この場合、実際に車を使用していた人と、車検証上の所有者が異なります。
使用者と連絡が取れないからといって、車検証上の所有者への確認を省略してしまうと、後日、所有権をめぐる問題が生じる可能性があります。
また、ローンの支払いが滞っている場合には、ローン会社側が車両の引き取りを検討することもあります。
一方で、使用者がローンを正常に支払っている場合など、ローン会社側では車両を引き取ることが難しいケースもあります。
そのため、所有者がローン会社・信販会社になっている場合には、車検証情報を確認したうえで、関係先への照会や対応方針を慎重に判断する必要があります。
車検証情報は、車両価値を査定するためにも重要です
車両の年式・型式・グレード・登録情報などを確認することで、その車の市場価値をより具体的に把握できる場合があります。
放置車両の中には、外観上は古く、動かないように見えても、中古車・部品車として一定の価値が残っているものがあります。反対に、見た目だけでは価値がありそうに見えても、実際には市場価値が限定的な車両もあります。
このような判断を誤ると、次のような問題が起きる可能性があります。
- 本来価値のある車両を、価値がないものとして安易に扱ってしまう
- 価値が低い車両なのに、過大な価値を前提に対応方針を決めてしまう
- 所有者・ローン会社・相続人から車両価値について主張されたときに反論できない
- 保管期間や処分方針を誤る
- 依頼者様が不合理な請求や損害主張を受ける
当社では、車検証情報、車両状態、写真記録、市場相場などを踏まえて車両価値を査定し、その査定額をもとに撤去・保管・処分の方針を決めた理由や正当性を、あとから説明できるようにしています。
ローン会社・信販会社から車両価値を主張された事例
当社が過去に対応した案件の中には、長期放置により外装・内装ともに劣化していた車両について、ローン会社側から「20万円程度の価値がある」と主張されたケースがありました。
しかし、当社では業者間の取引相場、車両状態、写真記録を確認しており、その金額は、実際の車両状態や業者間の取引相場から見て、実勢価格とかけ離れていると判断しました。
その後、ローン会社側から5万円の請求がありましたが、当社の査定結果や車両状態の確認結果とは異なるため、請求内容を受け入れない旨を伝えました。
結果として、それ以降、ローン会社から改めて請求されることはありませんでした。
このように、相手方がローン会社・信販会社・所有者・相続人であっても、主張された金額や内容をそのまま前提にしてよいとは限りません。
重要なのは、感情的に争うことではなく、車検証情報、車両状態、写真記録、市場価値などをもとに、根拠をもって対応することです。
当社では、依頼者様が不合理な請求や過大な主張を受けないよう、車両価値についても必要に応じて確認し、慎重に対応方針を検討しています。
車検証情報を確認せずに撤去すると、依頼者がトラブルの矢面に立つことがあります
放置自動車の撤去では、実際に作業を行うのは撤去業者であっても、依頼者様の敷地・駐車場・管理物件で発生している問題である以上、後日トラブルになった場合には、依頼者様に連絡や請求が入ることがあります。
たとえば、次のような主張を受ける可能性があります。
- 勝手に車を移動された
- 車内の荷物がなくなった
- 処分する前に連絡がなかった
- 所有者・使用者に通知されていない
- ローン会社や相続人への確認がされていない
- 車両に価値があったのに処分された
- 車両状態や保管状況の記録が残っていない
このようなリスクを減らすためには、撤去前の確認と記録が重要です。車検証情報の確認は、その出発点になります。
普通車と軽自動車では、所有者確認の方法が異なります
車検証情報の確認方法は、普通車と軽自動車で異なります。
普通車の場合は、登録事項等証明書により、車検証上の所有者・使用者の情報を確認できる場合があります。
軽自動車の場合は、普通車とは手続きや書類の名称が異なります。軽自動車検査協会で、所定の手続きを行うことで、車両照会により情報を確認できる場合があります。
このページでは、具体的な取得方法よりも、「なぜ撤去前に車検証情報を確認する必要があるのか」を中心にご説明しています。
安さや早さだけで放置車両の撤去業者を選ぶ前に
放置自動車があると、駐車スペースが使えない、近隣から苦情が出る、店舗運営に支障が出る、防犯上不安があるなど、早く撤去したい事情があると思います。
そのお気持ちは当然です。
しかし、確認を省略して撤去を急いだ結果、後日トラブルになってしまっては、本当の意味で問題が解決したとはいえません。
「依頼者責任で安く撤去できます」
「すぐに撤去できます」
「車が古いので処分しても問題ありません」
このような説明を受けた場合でも、車検証情報や所有者確認が十分に行われていなければ、後日のリスクを依頼者様が負うことになる可能性があります。
費用の安さや作業の早さだけでなく、所有者確認・通知・記録を行い、撤去・保管・処分に進んだ理由や正当性をあとから説明できる業者かどうかを確認することが大切です。
なお、素人判断や安易な業者選びの危険性については、別ページで詳しく解説しています。
当社が車検証情報の確認を重視する理由
当社では、放置自動車の撤去について、単に「車を動かす作業」とは考えていません。
撤去前には、できる限り次のような確認を行います。
- 車両の状態確認
- ナンバー・車台番号などの確認
- 警察への事件性確認
- 写真記録
- 警告書の貼付
- 車検証情報の確認
- 所有者・使用者・関係先への通知
- 車両価値の確認
- 任意撤去の可能性の検討
- 撤去・保管・処分の方針確認
もちろん、すべての案件で同じ手順になるわけではありません。車両の状態、放置場所、契約関係、所有者情報、警察確認の結果などによって、必要な対応は変わります。
車検証情報を確認できる可能性があるにもかかわらず、その確認を省略して撤去だけを進めることは、依頼者様にとって大きなリスクになります。
当社では、依頼者様を守るために、必要な確認を省略しない対応を心がけています。
よくある質問
Q. 車検証が車内にない場合でも、所有者確認はできますか?
普通車の場合、ナンバーや車台番号などの情報をもとに、登録事項等証明書を取得できる場合があります。
軽自動車の場合は、普通車とは異なる手続きになりますが、所定の書類を用意することで車両照会を行える場合があります。
具体的な方法は、普通車・軽自動車で異なりますので、該当ページをご確認ください。
Q. 駐車場契約者と車の所有者が違う場合はありますか?
あります。
月極駐車場や集合住宅の駐車場では、駐車場契約者と車検証上の所有者・使用者が違うことがあります。
契約者と連絡が取れない場合でも、所有者・使用者・ローン会社・相続人など、別の関係者が存在することがあります。
そのため、駐車場契約者だけを見て判断するのではなく、車検証情報を確認することが重要です。
Q. 古い車・動かない車でも所有者確認は必要ですか?
必要です。
車が古い、動かない、車検が切れている、長期間放置されているといった事情があっても、誰かの財産である可能性があります。
また、外観上は価値がなさそうに見えても、中古車・部品車として一定の価値が残っている場合があります。
撤去・処分を検討する前に、所有者確認と車両価値の確認を行うことが大切です。
Q. ローン会社が所有者になっている車は撤去できますか?
撤去できる場合もありますが、慎重な確認が必要です。
車検証上の所有者がローン会社や信販会社になっている場合、使用者と所有者が異なります。
そのため、使用者と連絡が取れないからといって、ローン会社への確認を省略して撤去・処分を進めることは避けるべきです。
ローンの支払い状況や車両価値、使用者との関係によって対応が変わるため、事前に確認することが重要です。
Q. 車検証情報を確認した結果、撤去しない方がよい場合もありますか?
あります。
所有者・使用者と連絡が取れる可能性がある場合や、ローン会社・相続人・関係者への確認が必要な場合には、すぐ撤去するのではなく、先に通知や照会を行った方が安全なことがあります。
撤去は、問題を解決するための手段の一つです。車検証情報を確認することで、より安全な解決方法が見つかる場合があります。
Q. 車検証情報を確認せずに撤去した場合、誰が責任を負いますか?
案件の内容によりますが、撤去を依頼した管理者側に連絡や請求が入る可能性があります。
実際に作業を行うのが撤去業者であっても、依頼者様の敷地・駐車場・管理物件で発生している問題である以上、後日、所有者・使用者・相続人・ローン会社などから説明を求められることがあります。
そのため、撤去前に車検証情報を確認し、通知や記録を残しておくことが重要です。
放置自動車の撤去をご検討中の方へ
放置自動車の撤去では、車を動かす前の確認が非常に重要です。
特に、車検証情報を確認していない場合には、所有者・使用者・ローン会社・相続関係・車両価値などを把握しないまま撤去を進めることになり、依頼者様が後日トラブルに巻き込まれる可能性があります。
当社では、放置自動車の撤去について、現地状況、車両情報、警察確認、所有者確認、通知の有無、車両価値などを踏まえ、依頼者様にとって安全な進め方をご案内しています。
- 早く撤去したいが、あとで問題にならないか不安
- 車検証情報を確認していないが、どう進めればよいか分からない
- 所有者や使用者と連絡が取れず困っている
- 安く撤去できると言われたが、本当に大丈夫か確認したい
このような場合は、まずは現在の状況をお聞かせください。
撤去ありきではなく、撤去・保管・処分に進んだ理由や正当性をあとから説明できる形で進められるよう、対応方法をご案内いたします。