相続放棄していて、故人の車を廃車する場合
「ご自身は相続放棄しているのに、故人(被相続人)の車を処分できるのか?」
についてご説明します。
本来でしたら、相続人であるご自身は相続放棄した(あるいは相続放棄の予定)ですから、故人の車に関しては「触らぬ神に祟りなし」として、「知らず存ぜず」を押し通すことが法律上は最も無難な対応です。
しかし、そうは言っても、
□故人がお世話になっていた駐車場のオーナーも勝手に処分できず困っている
など、道義的な問題もあり、出来ることならこの問題を解決したいとお思いの方もいらっしゃいます。
法的な解説はここでは省きますが、相続放棄していても、故人が所有していたゴミの処分は可能です。車も『無価値』な車でしたら、処分が可能ということです。
しかし、『無価値』かどうかの判断をご自身だけで行なうのは危険です。対応を間違えると、亡くなった方にお金を貸している債権者や、税金の滞納があれば行政から、『相続放棄は無効』とみなされ、故人の債務の肩代わりを求められる危険性がございます。
これについては個々の事情を確認した上でご対応しますのでお気軽にご相談ください。
相続放棄をした人が故人の車を廃車する場合
お客様の廃車手続きには下記の書類が必要です
特別にご用意ください
運転免許証のコピー
・保険証コピー ・印鑑証明書コピー(発行から3か月以内のもの)での代用も可能。
戸籍謄本
相続人代表者と被相続人の関係性と被相続人の死亡が確認できるもの。法定相続情報または除籍謄本でも代用が可能。これらの有効期限はありません。コピー可。
相続放棄申述受理証明書
「相続放棄申述受理通知書」とも言います。
裁判所に相続放棄が認められた場合に発行される書類です。
相続放棄予定でこの書類がご用意できない場合には当社で作成した覚書に署名していただくことで代用することも可能です。
改製原戸籍
被相続人の両親・兄弟の有無を確認するための書類です。
原戸籍の有効期限はありません。
車内に以下の書類があることをご確認ください
車検証
コピー可です。
電子車検証はこちら改製原戸籍について
被相続人(故人)の財産を配偶者・子供が相続放棄する場合、その相続権は故人の両親に渡ります。
そして、故人の両親が不在、あるいはどちらも相続放棄している場合、その相続権は故人の兄弟に渡ります。
【配偶者・子供】→【両親】→【兄弟】
よって、当社が故人の車両を引き取らせていただくには、故人の配偶者・子供・両親・兄弟のすべての相続放棄が確認できる書類が必要です。
原戸籍の有効期限はありません。
「直ぐに車両を撤去したい」
「兄弟までの戸籍謄本を取るのに時間がかかる」
などでお困りも場合は個別にご相談ください。
廃車までの流れ
- 上記の書類を当社へPDFまたは写メで送付()
※写メ等で送付容量が大きい場合はこちら - 当社が車両を撤去・解体
-
当社で【査定証】を作成し、原本を郵送。
廃車する車が無価値であることを証明する書類です。
当社は日本自動車査定協会の査定士の資格を有しています。
査定士番号「0021960567」です。 - 解体証明書発行
当社の提携工場にて車両を解体します。
車両が適正に解体されたことを証明する解体証明書を発行いたします。
相続放棄した車両の実例 故人の娘さんからの相談
相談者のお父様が亡くなりましたが、実家の駐車場に故人の車が処分されずに放置されていました。
実家には母親が住んでいましたが、高齢で故人の車を勝手に処分してよいかが分からず、1年以上手をつけられず、娘さんが当社にご相談されました。
故人には借金や税金の滞納もあったようです。
まずは車検証のコピーを当社に送付いただくことにしました。
車両の市場価値の査定と車両自体の差押え(嘱託保存)の有無を確認するためです。
その結果、査定価格はゼロで差押えもされていないことが判明しました。
車の鍵があり、辛うじてエンジンもかかったため、非常に安価な「処分費用」で車を処分することができました。
その処分費用も、娘さんご自身がご負担できる範囲でしたので、故人の財産には全く手を付けることなく処分することができました。
また、故人の【財産を勝手に売却】したのではなく【廃棄物を処分】した証拠として、当社が車両の【査定書】を発行し、車には価値がなく、当社が依頼者様からお金を受取っていない証明書を書面でお渡ししました。
故人の借金の有無を調査する方法(参考)
参考までに故人に借金があるかどうかの【信用情報】を調査する方法をご案内します。
信用情報を調査する機関として主に以下の3つがあります。
□CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)
□JICC(指定信用情報機関 株式会社日本信用情報機構)
□全国銀行個人信用情報センター(一般社団法人全国銀行協会)
ほとんどの金融機関(銀行・信用金庫・信販会社・クレジットカード会社・消費者金融等)が上記の3つの機関のいずれかに加盟しており、故人の住宅ローン・事業資金・車のローンなどの有無を調べることができます。調査費用も1機関1,000円程度ですので、調査の抜けや漏れを防ぐ観点からは、3つの機関すべてに調査依頼をしておくと安心です。
※個人が利用する場合、故人や夫・妻の借金が不安で調べるケースが多いです。
ただし、故人が事業を行なっていて、その買掛金や個人間での貸し借りについては調査できません。つまり、上記の機関で照会すればすべての負債の調査ができるわけではありません。
※弁護士を通じて、上記で調べてもらうことも可能ですが、その場合でも依頼者が書類を用意するなどの手間が発生します。以下の参考にご自身で調査することもご検討ください。
信用情報(債務の有無等)の調査に必要な書類・手続き
□JICCを例にとると、二親等以内の相続人でしたら以下のサイトから故人の信用情報を確認できます。
https://www.jicc.co.jp/kaiji/31
□必要書類は以下になります。
(1)お手続きされる法定相続人等の本人確認書類
(2)お手続きされる方が法定相続人等であることが確認できる書類
(戸籍謄本(または抄本)等、発行日から3か月以内の原本またはコピー)
(3)故人(開示対象者)が亡くなられていることが確認できる書類
(亡が確認できる戸籍謄本、抄本・除籍謄本・法定相続情報一覧図の原本またはコピー)
(4)信用情報開示申込書
(5)手数料: 1,300円(税込)
コンビニエンスストアにて郵送開示利用券を購入。
□書類送付先は以下です。
〒110-0014 東京都台東区北上野1-10-14 住友不動産上野ビル5号館
株式会社日本信用情報機構 開示窓口宛
□JICCから開示結果「信用情報記録開示書」を送付
開示結果は、申込者のご指定の住所へ「本人限定受取郵便(特例型)」で郵送いたします。
申込結果の送付には、申込書類が当社に到着後、7日から10日かかります。