一時抹消登録した廃車を再登録する方法は?
廃車した車、つまり一時抹消登録した車を再登録することを「中古車新規登録」と呼びます。
ここでは、ご自身で廃車手続きをした車を再登録する方法や、車を長期間保管する場合の注意点を解説していきます。
車を一時抹消登録(廃車)するメリット
一時抹消登録するメリットは『自動車税を支払わずに済む』ことです。例えば長期海外出張で3年間車を使用しないは2000ccクラスですと合計12万ほどの出費を抑えることができます。また、抹消登録すれば自賠責の返戻金も満了日からの残り月数分をもらえるのでお得と言えます。
一時抹消登録の流れについて
自動車の一時抹消手続きを行う場所は普通車と軽自動車で異なります。普通車は「運輸支局」、軽自動車は「軽自動車検査協会」で申請手続きを行います。また申請する際は車のナンバープレートに書かれている「地名」によって管轄場所・受付時間も変わりますので事前にお調べください。
普通車の一時抹消手続きに必要な書類
ご自身で一時抹消手続きをする際に持参する必要書類は下記になります。
・自動車検査証
・印鑑証明書(発行後2ヶ月以内のもの)
・印鑑(印鑑証明書の印鑑)
・ナンバープレート前後2枚
※車検証と印鑑証明書の氏名・住所が相違している場合や区画整理・市町村合併による住所変更がある場合は以下で必要書類をご確認ください。
⇒廃車手続きに必要な書類
※ナンバープレートの外し方は以下でご確認ください。後ろのナンバープレートに封印がありますがアルミの薄い板なので先の尖ったものやドライバーを強く押し当てて破くことが可能です。外した後は公道を走れません。抹消以外の目的で外すと違反になりますので抹消手続きをする直前に外すことをお勧めします。
⇒ナンバープレートの外し方
窓口で取得・購入するものは以下になります。
・手数料納付書
・印紙代350円(住所の変更がある場合には別途350円)
・申請書類
・自動車税申告書(隣接している自動車税事務所にあります)
軽自動車の一時抹消手続きに必要な書類
ご自身で一時抹消手続きをする際に持参する必要書類は下記になります。
・車検証(正式名称:自動車検査証)
・使用者の印鑑(個人:認印 法人:代表者印)
・ナンバープレート前後2枚
※ナンバープレートはプラスドライバーで外すことができます。普通車と違い封印がないので取り外しは容易に可能です。
⇒ナンバープレートの外し方
※黒ナンバーの場合は管轄する検査協会にて『事業用自動車等連絡書』を取得します。
窓口で取得・購入するものは以下になります。
・手数料納付書・印紙(印紙代350円)
・申請書類
・自動車税申告書(隣接している自動車税事務所にあります)
一時抹消登録した車を再登録する手順
車を再度使用する為には、車検に通してナンバーと自動車検査証を再発行してもらいます。これを中古新規登録といいます。一時抹消登録と同様に普通車と軽自動車では管轄が異なる為に検査を受ける場所や必要書類も異なります。
また再登録をする為には検査場へ車を持っていく必要があり、その手段として仮ナンバーを取得します。仮ナンバーを取らずにレッカー車で移動する方法もありますが数万円の費用がかかる為、あまりお勧めはできません。
また、順調に仮ナンバーを取得して検査場に車を持っていけたとして、検査が合格する為には検査基準をクリアする必要があります。このように自身で車検を通す方法を「ユーザー車検」と呼びます。
近年はインターネットでユーザー車検に関する情報収集ができる環境が整ってきており「ユーザー車検」を受けるハードルも下がってきています。
「ユーザー車検」を行うメリットとしては車検の費用を低く抑えることができること、車に関する知識が深まることにあります。デメリットとしては仮ナンバー取得から車検を受ける為に時間と手間がそれなりにかかります。メリットとデメリットを比べて自身で行うか業者に依頼するかを判断しましょう。
普通車の再登録(中古車新規登録)
まずは普通車の再登録の流れは以下のとおりになります。
①車庫証明書を取得する
車庫の所在地を管轄している警察署の交通課で申請します。その際に所有者の認印、車検証情報、駐車場の保管場所の地図等が必要です。また申請の際に「自動車保管場所証明書交付手数料」が2,100円と車庫証明が交付された後に500円必要です。
※地域によって異なりますので管轄の警察署にお問い合わせください。
②自賠責保険に加入する
事前に保険会社で自賠責保険に加入します。
自賠責の加入期間は車検証の車検満了日より日数を長くします。
※例:車検満了日が令和4年11月15日の場合、自賠責満了日は令和4年11月16日以降にします。
保険金額は車検期間が2年の場合22,000円程度です。
※自賠責保険期間は車検満了日より1カ月長く入るケースが多々あります。この場合、車検が切れた後に継続検査を受けたとしても事前に自賠責保険に加入になくて済みます。
③仮ナンバー用意する
車検切れもしくは一時抹消をした車の車検をとる際には仮ナンバーを使用して車検場へ持ち込みします。
仮ナンバーの申請は市町村役場で行ないます。(陸運局では個人ユーザー向けの仮ナンバーの貸し出しをしていません。)
仮ナンバーを申請する際に必要な書類は以下の通りです。
・登録識別情報等通知書(一時抹消登録証明書)
・自賠責保険証明書 ※有効期間が過ぎている場合には事前に加入が必要
・印鑑(認印可)
・身分証明書
・申請費用(750円程度)
※市区町村役場の窓口で必要書類・申請費用をご確認ください。
④車検場で検査をする
自身で車検を受ける際は事前に車検が通る状態にしておきます。
陸運局で車検を通すためにはインターネットで車検ラインの事前予約が必要です。
※車検を通す為の詳細については割愛します。
※車検を通すのに不安がある場合ですが、地域によっては車検場の近くに民間の予備検査場があります。そこで事前に検査を受け、万が一不具合がある場合、簡単なものならそこで修理してもらえます。
⑤再登録に必要な書類
・登録識別情報等通知書(原本が必要。一時抹消登録証明書のこと)
・自賠責保険証(車検を通したときの満了日までカバーされているもの)
・印鑑証明書(発行後2ヶ月以内のもの)
・印鑑(印鑑証明書に登録された実印)
・車庫証明書(管轄の警察署で事前に取得。有効期間1ヶ月以内)
〇窓口で取得・購入するもの
・手数料納付書・印紙(印紙代700円)
・申請書類
・自動車検査票(検査をする時に使用する。陸運局に置いてある)
・自動車重量税納付書(陸運局に置いてある。重量税納付印紙を窓口で購入)
・自動車税申告書(車検がとおった後に必要。隣接している自動車税事務所においてある)
※登録識別情報等通知書と印鑑証明書の氏名と住所が相違していた場合には以下の書類が必要です。
引越し1回→住民票 引越し2回以上→戸籍の附票
区画整理・市町村合併による住所変更→住居表示証明書
条件によっては上記以外の書類が必要になることがあります。事前に陸運局に連絡して必要書類を確認しましょう。
〇申請する際の費用
・申請手数料:700円(手数料納付印紙代)、
・検査手数料:2000円又は2100円
小型:ナンバー検査登録印紙400円+審査証紙1600円、
小型以外:ナンバー検査登録印紙400円+審査証紙1700円
・重量税:16,400円(初年度登録から13年未満で車両重量が1トン以下の場合)
:75,600円(初年度登録から18年経過し車両重量が2.5~3トンの場合)
・ナンバープレート代:1500円~2000円
希望ナンバーは事前予約必要で4000円くらい
※重量税は車両重量と年式によって金額が変ってきます。
※その他自動車税と環境性能割が発生することがあります。
※条件によっては金額が変わる可能性があります。
軽自動車の再登録(中古車新規登録)
軽自動車は普通車と違い「車庫証明書」は不要です。
①自賠責保険に加入する
②仮ナンバー用意する
※手順は普通車と同様のため、①②の説明は割愛します。
③車検場で検査・再登録する
普通車と同様、車検を通すためにはインターネットで車検ラインの事前予約が必要になります。
※車検が通す為の詳細については割愛します。
※車検を通すのに不安がある場合には地域によっては車検場の近くに事前に検査ができる民間の予備検査場がありますのでそこを活用する方法もあります。
④再登録に必要な書類
・自動車検査証返納証明書(一時抹消登録証明書)
・自賠責保険証(車検を通したときの満了日までカバーされているもの)
・車検証の使用者の認印(シャチハタ不可)
・車検証の使用者の住所証明書類
〇窓口で取得・購入するもの
・申請書類
・申請審査書
・自動車検査票(検査をする時に使用する)
・自動車重量税納付書(重量税納付印紙を窓口で購入)
・自動車税申告書
〇申請する際の費用
・中古新規手数料(印紙代)1400円
・重量税 最大8800円
※重量税は年式によって金額が変ってきます。
・ナンバープレート代1470円 (希望番号4180円)
※その他、環境性能割が発生することがあります。
※条件によっては金額が変わる可能性があります。
※事業用として車検を受ける場合には管轄の陸運局で「事業所自動車連絡書」を事前に取得します。連絡書の取得方法は割愛します。
車を長期間保管する場合の注意点
長期間保管する場合、お車の部品等の劣化による追加費用が発生するかもしれません。
例えば、エンジンをかけないでいるとバッテリーが劣化して交換しなくてはなないかもしれません。
また深刻なこととしてはガソリンを入れた状態で長期保管をするとガソリンタンクの腐食やガソリンの劣化が進み、燃料パイプの目詰まりや燃焼不良により、再度車を使用する際に修理費用がかさむ可能性があります。
長期保管をする際はロードサービスなどの専門家にガソリンを抜いてもらう方がよい場合があります。
また、それ以外に梅雨の時期に車内に湿気がこもりカビが発生してしまう可能性があります。発生したカビはアレルギー性疾患の原因になるなど人体に悪影響を及ぼす可能性があります。
※ご自身で掃除をする際は注意が必要です。長期保管をする場合は定期的に車内を換気してあげる必要があります。
まとめ
ご自身で一時抹消してから再登録するには、それなりに時間や費用がかかります。また、車庫証明書、仮ナンバー取得、自賠責保険証などは期限が決まっていますので計画的に行動する必要があります。
また、長期間車を保管することで、車の劣化が進み、再登録を断念して廃車される場合にはお気軽にご相談ください。
2020年12月05日
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